2006年09月17日

■実装しない勇気

Notesのアプリケーションでトラブルを起こしたお客様のサポートに入って、
とてつもなくNotesらしくない設計思想や仕組みを見るとき、
必ず感じることがある。

「たったこれだけのための機能をなぜ諦めなかったのだろう」という疑問だ。
Notes/Dominoにかかわらず、ソフトウェアには必ず得手不得手がある。
最大限にそのソフトウェアの力を引き出したいと思うのであれば、
得意なところを上手く使いこなすのが得策である。

もちろんアプリケーション開発の過程で顧客要望をかなえたいという気持ちも理解できないわけではない。
でも、私たちはプロなのだから、ただ、希望をかなえるのではなく、
このシステムをいかに使いやすく、そして必要な機能だけを実装するように指南すべきであり、言いなりになってはいけないのだと思う。

昨今、お客様とSEの知識の垣根はWEBと検索という仕組みによって縮まった。
普通の人がちょっとした操作であることに詳しくなれる。
実際によく勉強している顧客もいて、「こうすれば、できるよね」といってくる人もいるし、「これくらいできないの?」といって技術者魂に火をつけるような人もいる。
それでも、敢えて、すべての要望を取り込まない「勇気」がエンジニアには必要だと思っている。
それが未来の可能性につながり、システムを安定運用させるという道に繋がると思うからだ。

もちろん仕様検討の際に顧客の要望をすべて飲めば、Projectも摩擦がなくて進めやすいかもしれない。
しかもソフトウェアの世界にはほとんど不可能という言葉がない。
パフォーマンスや操作性を犠牲にし、費用と時間さえかければ何でも実現できてしまうだろう。

でも、本当にそれが正しい答えなのか、結論を出す前にもう一度、振り返って欲しいと思う。

その機能の有効性、コストパフォーマンス、全体最適を考えて目的に合ったソリューションを提案すべきだといつも私は思っている。
もちろん間違っても列の式に@Todayなんて使わせないし(笑)、むやみにフィールドに計算結果の属性をつけることも薦めない。
それはすべて快適にシステムを利用して欲しいと思うアプローチだ。
そして、それを諦めてはいけないのだと思う。

結果的にトラブルになると分かっていて、要望を飲んだとしても、
いつかその事実は顧客にも明らかになる。
いつまでも騙し続けることはできないのだ。
だからこそ、時にはひとつの機能を諦め、全体として使いやすい仕組みを作ることが必要だと顧客にも理解してもらわなければならないのだと思っている。

顧客要望は受けるよりも断る方が圧倒的に難しい。

みなさんはそれを実装しない勇気をもっていますか?
posted by せりあ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Notes/Dominoな仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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